hibun_01

 

明るい空や白い紙を見た時に目の前に髪の毛やクモの巣のような形をしたゴミのようなものが浮いて見えることがあります。目を動かしても、目をこすっても無くならず、ガラスについた水滴が下がるように、動いて見えることもあります。このような症状を虫が飛んでいるようなので「飛蚊症」と言います。

 

人間の眼球は野球のボールのような形をしていますが、中心部のところは硝子体と呼ばれるドロドロした透明な液体で出来ています。目の外から入ってきた光は角膜や水晶体を通過し、さらに硝子体も通過して、眼球の一番奥にある網膜に達するわけです。この硝子体にもし濁りが出来るとその影が網膜に映り、目を動かすと虫か水滴のようなものが動いているように自覚されます。この濁りの多くは生理的混濁で心配はないのですが、時に病的な原因によるものがあるのでその判別が大切です。

 

時々白内障の初期ではないかと心配される方がありますが、白内障とは関係ありません。白内障は硝子体ではなく水晶体の混濁です。

 

水晶体は硝子体のようにドロドロした液体ではありませんので、もし濁っても全体的に視力はボーッと霞んできますが、飛蚊症のように、目を動かしても濁りが虫が飛んでいるように見えることはありません。

生理的飛蚊症

お母さんのお腹の中の胎児の眼球では硝子体の中に血管があり、普通生下時には吸収されその血管は消失しますが、時に生まれたのちにも血管の名残りが存在しそれが飛蚊症として感じてしまうことがあります。これは生理的飛蚊症ですので心配はありません。

 

年齢的に50才から60才位になると硝子体の老化が始まり変性萎縮し、網膜から剥がれる硝子体剥離が起こります。近視の度の強い場合は、もう少し年齢的に早く硝子体剥離が起こります。硝子体剥離自体は、年齢的変化で病気ではありませんので、飛蚊症があっても濁りの数や症状に変化がなければ治療の必要はありません。

注意すべき飛蚊症

硝子体剥離も原因の一つとなることがありますが、網膜に穴が開く「網膜裂孔」や網膜が剥がれる「網膜剥離」という病気があります。この病気の初期症状として強い飛蚊症の症状が現れます。高血圧や糖尿病があると眼底出血が起り硝子体にも血液が入ることがあります。これを「硝子体出血」と言いますが、やはり飛蚊症が感じ られます。眼球の中に炎症が起る「ブドウ膜炎」の場合も視力の低下と飛蚊症が認められます。このように種々の目の病気の初期症状として出現する飛蚊症は、 生理的飛蚊症と異なり急に増えてくるのが特徴です。もし今までにない飛蚊症が感じられたときはすぐに眼科で精密検査を受けましょう。

 

平田眼科においてはこのような症状を訴えて来られた方に対して、眼底の精密検査や、網膜剥離の有無を調べるために眼球の超音波検査も施行しております。飛蚊症を感じておられる方は、生理的はものか病的なものかを判別するため、早目に受診されるようにおすすめいたします。

 

もし「網膜裂孔」や「網膜剥離」が発見されても初期の段階なら、入院して手術する必要も無くレーザー光凝固のみで治療出来ます。これは当院の外来でも行っております。