肥満には皮下脂肪型肥満と内臓脂肪型肥満の2つの型があります。
メタボリックシンドロームとはお腹の腸を包んでいる膜に脂肪がたまる「内臓脂肪型肥満」に「血中脂質」「血圧」「空腹時血糖」の異常が重なった状態のことです。これは体の各所に重大な病気を引き起こす「動脈硬化」の進行を促す原因となります。

 

メタボリックシンドロームの診断基準

腹囲(空腹時に軽く息を吐いておへその高さで測る)
 男性・・・85cm以上
 女性・・・90cm以上
上記の者で次の3つの項目のうち2つ以上があてはまる者
(1つだけあてはまる場合は予備群)

 

①血中脂質

  • 中性脂肪値が150mg/dl以上
  • HDLコレステロール値が40mg/dl未満

2つのどちらか又は両方

②血圧

  • 収縮期血圧(上の血圧) 130mmHg以上
  • 拡張期血圧(下の血圧) 85mmHg以上

2つのどちらか又は両方

③血糖

  • 空腹時血糖 110mg/dl以上

 

メタボリックシンドロームによって引き起こされる主な病気

全身疾患

  • 動脈の内腔が狭くなったり、血栓が出来て動脈が詰まるために起こるもの
    狭心症・心筋梗塞・脳梗塞
  • 消化液が過剰に分泌するために起こるもの
    急性膵炎・胆石症
  • 肝臓に中性脂肪が多くたまるために起こるもの
    脂肪肝・肝硬変・肝がん
  • 蓄積脂肪が気道や横隔膜を圧迫するために起こるもの
    睡眠時無呼吸症候群
  • 血圧上昇因子の増加と血液量の増加のために起こるもの
    脳出血・心肥大・腎硬化症
  • インスリン抵抗性が強まるために起こるもの
    糖尿病・痛風

 

目の病気

メタボリックシンドロームの状態が続くと大切な目の組織を障害し視力の低下を来したり失明してしまうことがあります。

 

●糖尿病網膜症
高血糖のため網膜の血管が詰まったり出血が起こりまた出血しやすい新生血管が増殖する

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●高血圧眼底
高血圧により血管壁から血液成分は染み出し網膜に浮腫が起こる

●網脈中心静脈閉塞症・網膜静脈分枝閉塞症
網膜静脈が詰まると眼底出血と網膜浮腫が起こる

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●網脈動脈閉塞症
動脈が詰まると支配部分が虚血状態となりその部分の視野が欠損してしまう

●加齢黄斑変性
網膜の中心部分の黄斑が変性しものがゆがんで見えたり視力が低下する。野菜を食べずタバコの量が多い人は特に要注意

●白内障
カメラのレンズにあたる水晶体が濁ってきて視力が低下する。血糖値が高いと初発年齢が早い

 

メタボリックシンドロームの原因と対策

動脈硬化の大きな危険因子である内臓脂肪の蓄積は長年の生活習慣によってもたらされたもので す。食生活の乱れと運動不足の2つがその主な原因と考えられています。生活習慣を改善するための具体的方法やそれを長続きさせるためのコツは専門家の指導 を受けることが最も効果的です。
2008年4月から40歳以上74歳以下で国民保険や社会保険等に加入している場合には1年に1度「特定健康 診査」を受けることが出来るようになりました。その健診結果によって危険度に応じた「特定保健指導」が行なわれます。皮下脂肪に比べ内臓脂肪はたまりやす いですが反面減らしやすい脂肪とも言われます。家族の協力も得て指導に従って根本的に生活習慣の改善をはかる必要があります。

 


 

メタボリックシンドロームによる影響は通常中年期以降に現れてきます。その疾患として心筋梗 塞、脳梗塞や糖尿病はすぐ話題になりますが、実際には患者数が非常に多い目の病気との関連については残念ながらあまり注意が払われていません。まだ働き盛 りの中年期で失明や大幅な視力低下を来すことは本人や家族にとって大変辛いことです。メタボリックシンドロームは”目がボーッとするシンドローム″と覚え ていただいても良いと思います。
  
平田眼科では「特定健康診査」で指示を受けた方に精密眼底検査を行なっています。しかし、いろい ろな目の成人病の早期発見と治療のためには種々の適切な眼科検査が必要となります。メタボリックシンドロームやその疑いのある方は早目に当院で眼科検査を 受けられることをおすすめします。