いよいよ水泳の季節になりました。学校でもプールの授業がありますが、多くの中高年の方々も、体重の負担が少ない運動として、プールをよく利用しておられます。でも泳いだあとの目の管理はどうしておられるのでしょうか?

 

以前には水道の水飲み用蛇口の様に、蛇口が上を向いた洗眼用の水道蛇口がプールに備え付けられている所がよくありました。そのためもあって、今でもプールの後に水道水で目を洗う方々が、かなりおられます。しかし最近のデータによると、この水道水による洗眼はかえって目に障害を与えてしまう危険がある、ということが分かってきました。目の表面特に角膜は非常にデリケートな部位です。知覚は身体の中で最も鋭敏で、わずかでも傷がついたりすると、ゴロゴロするだけではなく、視力にも影響が現れてしまいます。

 

この角膜を守るために、涙が大きな働きをしています。これにつきましては、今ご覧の平田眼科のホームページの「ドライアイ」の項目をまずご覧下さい。 涙はホコリやゴミを洗い流す作用だけではなく、抗菌作用のあるリゾチームで目を清潔に保ち、油分や粘液(ムチン)成分で目の表面特に角膜を乾燥から防ぐ 非常に重要な働きをしています。水道水による洗眼によって、プールの水の不潔物は洗い出されますが、水道水に含まれている塩素によって、角膜や結膜の上皮細胞を障害し、さらに涙を角膜に定着させる粘液(ムチン)を産生する杯細胞も障害してしまいますので、正常者でも一時的にドライアイになってしまいます。 そもそも泳いでいる時の、プールの水にも塩素が含まれており、その影響も受けているわけですから、さらに追い討ちをかけられることになります。ではどうしたら良いのでしょうか?プールの水の塩素から目を守るためには、溺れ対策のためにゴーグルもせずに、水中で目を開ける訓練をする時を除いては、いつもゴー グルを使いましょう。プールの後は水道水で洗眼することはせずに、医師から特別に指示されている場合を除いて、涙の成分に近い涙目薬を点眼するようにしま しょう。最近杯細胞のムチン産生を促したり、傷害された杯細胞そのものを再生する作用のある点眼薬も使われるようになりました。プールは続けたいがドライアイ症状のある方は、当院で診察時にお話し下さい。ドライアイがあるかどうかは、まばたきをとめて、10秒間目を開けていられるかどうかでも、簡便にチェック出来ます。

 

*プールとは関係ないことですが、目に誤ってセメント、石灰、カビ取り剤原液など強力な薬剤などが入ってしまった時、特にカセイソーダなど強アルカリ性 の物質なら特に眼科に受診する前に、ご自分で水道水でかまいませんので、すぐにしっかりと洗眼して下さい。それから出来るだけ速やかに眼科受診するようにして下さい。