「アレルギー症状を緩和する新しいコンタクトレンズ」
花粉症の時期などに、目のアレルギー症状の程度によりコンタクトレンズの中断をお願いする場合があります。しかし実際には仕事やスポーツなど様々な理由によりコンタクトレンズの中断が困難な場合があります。花粉症の時期など時々目のかゆみが出る方は、早期の対策が重要です。目のアレルギーケアに新しい選択肢が増えました。ソフトコンタクトレンズ自体に抗アレルギー薬(ケトチフェン)を含む、薬剤徐放ソフトコンタクトレンズが登場しました。このソフトコンタクトレンズは1日使い捨てソフトコンタクトレンズで、レンズ1枚あたり0.019mgのケトチフェンを含有します。いつものコンタクトレンズと同じように装用するだけで、抗アレルギー薬(ケトチフェン)が持続的に目に届き、目のかゆみや充血、流涙などのアレルギー症状を緩和します。この新しい薬剤徐放ソフトコンタクトレンズは、米国における試験において、装用15分後にかゆみの抑制が認められ、12時間後も持続していることが確認されております(*1)。このコンタクトレンズは薬剤を徐放しますので、目薬同様若干しみる感覚が生じることがあります。このコンタクトレンズはアレルギー性結膜炎による目のかゆみなどで、コンタクトレンズ装用が出来なくなったことがある方などが適応です(ケトチフェンに対して過去にアレルギーを起こしたことがある方はご使用いただけません)。
(*1 Pall B, Gomes P, Yi F et al:Management of ocular allergy itch with an antihistamine-releasing contact lens.Cornea 38:713-717,2019)