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緑内障

緑内障とは

緑内障(あおそこひ)は、成人が人生の中途で失明する病気として最も多い疾患です。昔は緑内障は眼圧が高くなって視力が悪くなる病気ととらえられていましたが、最近の知見では緑内障の多くを占める正常眼圧緑内障は眼の奥の血液の流れが悪くなったり、体質的なもので目の奥の視神経が徐々に障害されるため視野が狭くなり最終的には視力も悪くなってしまう病気と考えられるようになってきました。例えば眼圧が15mmHg前後で以前の考えからすれば決して高くはない方でも視野狭窄が進行してしまうことがあります。このような場合はさらに眼圧を下げる必要があるわけです。このように緑内障かどうか調べたり進行しているかどうか判断するには眼圧検査と同時に眼底カメラや視野検査も行なう必要があります。

緑内障の有病率

一次検査

  • 問診
  • 屈折
  • 矯正視力
  • 眼圧検査
  • 眼底検査(無散瞳眼底撮影・視神経乳頭撮影)
  • 細隙灯検査
  • 隅角検査(簡易法)
  • 視野検査(スクリーニング検査)
  • 血圧・身長・体重
  • 角膜厚・角膜径

二次検査

  • 細隙灯検査
  • 眼底検査(検眼鏡他による)
  • 眼圧検査
  • 隅角検査(隅角鏡)
  • 視野検査(閾値検査)

病気にはいろいろありますが、その中のある病気を一定の決められた人口の中で何人が患っているかの率をその病気の有病率と言います。
人種や生活条件で有病率は変化しますので各病気の有病率は世界の各々の国によって異なります。2000年に平田眼科からも比較的近い岐阜県多治見市において緑内障(あおそこひ)の日本における有病率を調べる大がかりな調査が行われました。正式名称は「日本緑内障学会多治見緑内障疫学調査」で通称「多治見スタディ」と呼ばれるものです。緑内障の多くはかなり症状が進行しないと自覚症状が出ないため治療が遅れてしまうことがあります。それを防ぐためにもご本人が気づいておられなくても何人に一人位の割合ですでに緑内障になっているかを調査することは大変重要なことなのです。実施機関は日本緑内障学会と多治見市で、岩瀬愛子多治見市民病院眼科部長が現地責任者となられ、日本緑内障学会の関係者や岐阜大学眼科が中心となって国際的に通用する科学的に信頼度の高い調査が行われました。対象者は多治見市在住で40才以上の54,165人の中から完全無作為抽出法にて4,000人が選出されその内3,021人が実際に受診し検査を受けられました。調査期間は2000年9月から2001年10月までで、次のような項目の検査が行なわれ一次検査で緑内障の疑いが少しでもある方は二次検査に回されました。

年代別緑内障有病率(%)

  男性 女性
40歳台 2.1 2.3 2.2
50歳台 3.5 2.4 2.9
60歳台 5.9 6.7 6.3
70歳台 10.5 10.5 10.5
80歳以上 16.4 8.9 11.4
40歳以上 5.3 4.9 5.0
40歳以上1) 5.0 5.0 5.0
40歳以上2) 4.5 4.3 4.4
 1)多治見市年齢別人口で重みづけ
 2)世界人口で調整
 日本緑内障学会ホームページより(一部改編)

対象者1人につき眼底カメラの読影は3人の専門医が独立して判定し、視野判定も2人の医師が判定しています。最後の総合判定は5人の緑内障専門医によって行われるなど極めて信頼度の高い判定方法がとられました。結果は表のように予想をはるかに越えて緑内障がいかに多く存在するかを示すものでした。

上の表をさらに分かりやすく置きかえてみますと、40才台では45人に1人、50才台では34人に1人、60才台では16人に1人、70才以上では10人に1人、80才以上では実に9人に1人が緑内障になっているということです。緑内障の有病率がこれ程多いにもかかわらず、ご自分が緑内障であることに気づいておられない方が非常に多いことが心配されます。緑内障は一旦進行してしまいますと回復させることは極めて困難です。中途失明から免れるためには何よりも早期発見、早期治療が重要です。

40才以上の方は1〜2年に1回は当院で検査を受けられることをおすすめいたします。緑内障の発見と経過観察には今回の調査で行なわれた検査のように眼圧よりも視野検査と眼底カメラが大変重要です。これらの検査の指示が出た場合は是非ご協力下さい。

緑内障(青そこひ)の特徴をまとめてみましょう

  • 眼球の中にある水(房水)の調節が悪くなり眼圧が高くなる
  • 眼圧に負けて眼球の奥にある視神経が障害される
  • 放置すると視野が本人が気づかない間に徐々に狭くなり二度と回復はしない
  • 40才以上の方の17~20人に1人は緑内障と言われ、全国に数百万人の緑内障患者がいるが、治療を受けているのはその内2割にすぎない
  • 糖尿病網膜症と中途失明原因の一位を競っている
  • 急性緑内障は激しい眼痛と頭痛があるが90%以上を占める開放隅角緑内障は末期になるまで自覚症状は無い
  • 緑内障の早期発見と程度判定のための重要な眼科検査は眼圧検査、視野検査、OCT検査、眼底検査の4つである
  • 経過観察で最も重要な検査は視野検査である
  • 最近効果的な点眼薬が続々と登場しており手術しなければならない症例が減少した
  • 早期発見し定期的な眼科検診を受け点眼薬治療を一生続ければ、多くの症例で進行をかなり遅らせることができ、平均寿命まで多くの方で生活に大きな不自由のない視機能を残すことが可能になってきた

生活上の注意点

①食事
特に食べてはいけない物はありませんが栄養のバランスをよく考えるようにしましょう
②お酒・タバコ
適度な飲酒は心配ありません。タバコは眼圧が上昇し健康にもよくありませんので出来るだけひかえましょう
③コーヒー・お茶
コーヒーやお茶はあまり制限する必要はありませんが一時に多量の水(500ml以上)をイッキ飲みすると眼圧が上昇してしまいます
④テレビ・読書
目を使うことは特に問題はありません。しかし読書の時の姿勢には気をつけましょう。うつ向き姿勢は眼圧が上昇しますので下向きにゴロ寝をしてうつ向きで読書するのはやめましょう
⑤スポーツ
適度な運動は眼圧を下げ健康にも良いのでお続け下さい
⑥旅行
旅行は問題ありませんが点眼薬を使っておられる方は忘れないようにしましょう。また海外旅行の時は時差も考えて点眼時間を守りましょう
⑦睡眠
寝不足をすることなく規則正しい生活をし疲労を残さずストレスをためないようにすることがとても大切です

緑内障のタイプ

①開放隅角緑内障

目の中の水(房水)の排水溝を隅角(ぐうかく)と呼びます。緑内障は大きく分けると、隅角の広いタイプ(開放隅角緑内障)と、隅角の狭いタイプ(閉塞隅角緑内障)にわけられます。このうち開放隅角緑内障は慢性に経過することが多く、自覚症状はほとんど初期にはありません。点眼治療が基本ですが、経過によってはレーザー治療(SLTなど)や、そのほかの緑内障手術が必要になることもあります。

レーザー光凝固手術(PCサイト)

②正常眼圧緑内障

開放隅角緑内障のなかで、もともと眼圧が高くないものです。日本人に多く、眼圧が正常なため発見しにくい病気です。近年OCT検査の進歩により従来より、より早期に発見することが可能になってきました。

OCTで分かること(PCサイト)

③閉塞隅角緑内障

目の中の水の排水溝である隅角の狭いタイプの緑内障です。急性と慢性にわけられ、特に急性は激しい目の痛みや、頭痛、吐き気を伴うことがあります。レーザー治療の適応(LI)になることが多く、それでも眼圧が下がらない場合は点眼治療や、そのほかの緑内障手術が必要になることもあります。

レーザー光凝固手術(PCサイト)

緑内障検査

緑内障の早期発見や経過観察のために種々の検査が行われますが、特に重要な検査は「眼圧検査」・「眼底検査」・「視野検査」・「OCT検査」の4つです。4つとも痛い検査ではありません。

①眼圧検査

眼圧検査

眼圧は普通10〜20ミリメートル水銀柱が正常範囲とされています。眼圧は日によっても、また昼と夜でも変動することがあるため、日や時間を変えて、繰り返し測定する場合があります。眼圧が正常範囲でも視神経の障害が進行する《正常眼圧緑内障》があり、眼圧が正常範囲だから緑内障では無いとは言えません。

②眼底検査

眼底検査

直接瞳から目の中を観察して、視神経や網膜の状態を調べる検査です。医師が直接目の中を見る場合と眼底カメラを使う場合があります。糖尿病や動脈硬化・高血圧など他の病気を発見したり、その程度を知る上でも重要な検査です。緑内障の場合は視神経の束である視神経乳頭の中心が凹む乳頭陥凹という所見が認められます。

③視野検査

視野検査

見える範囲を調べる検査ですが、緑内障による視神経の障害の進行具合をを見る上で、最も大切な検査です。緑内障がかなり進行した場合は、視力検査ではよい視力が出ても、視野が狭くなりちょうど土管を通して遠くの景色を見たように、中心部以外はよく見えない状態になります。

各種検査について詳しく(PCサイト)

④OCT検査

緑内障になると、網膜の神経が薄くなり、視野(見える範囲)の一部が見えにくくなってきます。
ただ早期の段階では自覚症状がまだなく、機械による視野検査で緑内障を発見します。

上図の上段の4つの円形のデーターが右眼の視野検査結果です。黒く表示されているところが見えていないところで、結果として正常範囲外と判定されています。
上図の下段の4つの円形のデーターが左眼の視野検査結果です。正常の人でも見えない盲点以外は見えており正常範囲内と判定されてしまいます。
このような人の眼に対してもOCT検査を行なうと、下図のように右眼だけではなく左眼にも異常が認められました。

上図の左側が右眼、右側が左眼のOCT検査結果です。
緑色が正常、黄色が要注意、赤色が異常(神経が薄い)となります。
右眼は上方と下方の両方に赤色の部分があり、上方と下方の両方とも網膜の神経が薄くなっていることが分かります。
一方視野検査で正常範囲内と判定された左眼は、右眼ほどではありませんが黄色や赤色になっている箇所があり、将来左眼にも緑内障が出てくる可能性が高いと考えられます。

このように最新のOCT検査を行なうことにより、より極初期の段階で緑内障を発見することができます。
詳しくは医師に御相談下さい。

その他、目の症状でご心配なことがありましたら診察時に何でも医師にご相談ください。

OCTで分かること(PCサイト)

緑内障の治療

閉塞隅角緑内障はレーザー治療が基本で、開放隅角緑内障や正常眼圧緑内障は点眼による治療が第一選択となります。どの緑内障のタイプでも継続的な経過観察が大切です。特に点眼は、決められた回数を毎日規則正しくしていただくことがとても大切です。緑内障の点眼は、多くの場合一生続ける必要があります。近年点眼治療も進歩しており、日本でも多くの点眼が使用可能になりました。点眼の進歩に伴い、以前と比べ緑内障の手術が必要になる方は減少しております。点眼は3から4種類までの併用ができ、点眼で多くの方の眼圧をコントロールすることが可能になってきました。それでも点眼による眼圧下降が不十分な場合は、レーザー治療やそのほかの緑内障手術が必要になることがあります。

緑内障のレーザー治療(PCサイト)

中途失明を防ぐために

人生の途中で視力を失う中途失明の1位と2位は、「緑内障」と「糖尿病網膜症」です。両者共かなり進行しないと自覚症状が現れないのが特徴です。緑内障の場合一度視神経が障害されると、もう元には戻りません。大切な視力をいつまでも保つためには、早期発見、早期治療が必要です。血縁者に緑内障の方がおられる方や一般健診で高眼圧や乳頭陥凹の指摘のあった方はもちろん、そうでない方も35才を過ぎたら2〜3年に一回は眼科で検診を受けましょう。
緑内障は一生ものの病気ですが、高血圧や糖尿病でも一生ものです。緑内障だけを決して悲観することはありません。最近大変効果的な点眼薬も開発されており、平田眼科においては各人の緑内障のタイプに最も適した点眼薬を使用し治療を行なっております。
緑内障と上手につきあって一生良い視力を保持するためには、治療を中断することなく継続することが大変重要です。

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