目の健康だより「ぶどう膜炎」

ぶどう膜炎

さまざまな目の病気

2014年05月14日 掲載

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目の病気には老人性白内障正常眼圧緑内障のように自覚症状が乏しく何年もかかって徐々に進行してくるものもあれば、ぶどう膜炎のように早期から何等かの自覚症状が現れ急激に進行するものもあります。
ぶどう膜とは上部図のように虹彩(茶目)、毛様体(水晶体を保持する部分)、脈絡膜(網膜と強膜の間の膜)の3つの部分のことです。これらの全て又は一部分に炎症が起れば全てぶどう膜炎ということになります。
虹彩に炎症が起れば虹彩炎と言い、毛様体にも炎症が及んでいれば虹彩毛様体炎と言います。これらは眼球の前の部分にあるので前部ぶどう膜炎とも言われま す。脈絡膜は眼球の後部にあるので脈絡膜炎は後部ぶどう膜炎と言いますが、実際にはほとんど前部にも炎症が及んでおり汎ぶどう膜炎と言ってもよいでしょ う。一般的に汎ぶどう膜炎は略してぶどう膜炎とだけ呼ばれることが多いようです。
ぶどう膜炎にはリウマチ、全身性エリテマトーデス等の膠原病や自己免疫疾患による内因性のものと、ウイルスや原虫等による感染性のものがあります。しかし実際には原因が特定出来ないことが多いのが実情です。


◎ 前部ぶどう膜炎

  • 糖尿病虹彩炎 ・膠原病による虹彩炎
  • ヘルペス性虹彩炎 ・眼内手術後虹彩炎
  • ポスナー・シュロスマン症候群 ・その他


症状・・・・虹彩や毛様体に炎症が起こると前房(角膜と虹彩の間)に濁りが出るため、細かいゴミの様なものが見えたり電灯の周囲に虹がかかったようにみえることがあります。茶目の周りの白目が充血したり眼痛やまぶしさもしばしば認められます。
治療・・・・原因疾患の治療と同時に眼圧が上昇していればそれを治療し一般的にはステロイド点眼と併せ虹彩癒着防止と安静を保つために瞳孔(黒目)を大きくする散瞳剤の点眼が用いられます。


◎ 汎ぶどう膜炎

  • 原田病・・・・ メラニン(色素)細胞に対する自己免疫疾患と言われ両眼性で急激な視力低下、まぶしさ、充血等と共に頭痛、発熱やめまい等の症状が出ます。ステロイドの大 量点滴療法が行なわれますが、治癒しても色素が抜けるため毛髪が白くなったり、皮膚白斑が現れることがあります。
  • サルコイドージス・・・・20歳代の男女と50歳前後の女性に多く男女比は1:3といわれます。両眼性で眼痛や目のかすみの他、著しい飛蚊症が起ります。肺門リンパ節や全身の臓器に結節が認められることが多く治療はステロイド剤投与が基本となります。
  • ベーチェット病・・・・ 男性に多く、口内アフタ、陰部潰瘍、皮膚結節性紅斑を伴なって再発性の虹彩毛様体炎が多くの場合両眼性に起ります。全身の血管病変や中枢神経病変もしばし ば認められます。治療はコルヒチンやシクロポリンの内服が行なわれていますが、最近関節リウマチ薬のインフリキシマブ(商品名レミケード)がベーチェット 病の治療に大きな効果があるとして注目されています。


以上3つの汎ぶどう膜炎がわが国の3大ぶどう膜炎と言われていますが、そ の他にもヘルペスウイルスによる急性網膜壊死、免疫不全の方に起るサイトメガロウイルス網膜炎、ネコの糞から感染するトキソプラズマ症、結核性ぶどう膜炎 等も重大な汎ぶどう膜炎と言えます。前部ぶどう膜炎や汎ぶどう膜炎は発病早期から目の痛みやかすみ目を自覚することが多いのですが、原田病のように頭痛や めまい等の症状が強く現れる時は眼科受診が遅れてしまうことがあります。全身症状に対しての内科的治療はもちろん必要ですが、ぶどう膜炎は発症からの経過 が早いことが多いので特に注意が必要です。

 

平田眼科ではまず眼科的な精密検査を行い、さらに全身的な精密検査や治療が必要な時は、各大 学病院や市民病院との病診連携において行なっております。ぶどう膜炎は再発を繰り返したり慢性化することがありますので一度治癒しても目に異常を感じた時 は速やかに眼科受診をするようにして下さい。

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