目の病気と治療 加齢黄斑変性 紫外線やパソコンの光に要注意早期発見で適切な治療を

黄斑とは

「加齢黄斑変性」とは、加齢が原因で、眼の網膜の中央にある「黄斑」に異常が発生する病気です。黄斑は、網膜の中ででも視力を司る重要な細胞が集中している中心部で、ものの形、大きさ、色、奥行き、距離など、光の情報の大半を識別しています。この部分が障害されると、視力の低下をきたし、ものを見る時に、中央部がゆがんで見えたり、真ん中が見えなくなったりします。

眼球の断面図

日本で患者が急増

現在日本の中途失明原因になる病気の1位と2位は、緑内障と糖尿病網膜症ですが、最近日本でも加齢黄斑変性の患者が急増しています。年齢的にはほとんど50歳以上で男性が女性の約3倍です。片眼に発症した人でも40%は両眼性になってきます。もともとこの病気は、欧米の白人に多く色素の多い日本人など有色人種には少ないといわれてきましたが、それは目の老化を促進する光刺激に対する抵抗力の人種的違いと考えられてきました。しかし最近の日本におけるこの病気の急増は、人口の高齢化や食生活の欧米化のほかに自然界の紫外線の増加、テレビやパソコンの普及などで光刺激を日本人が受けることが多くなったことなども原因の一つと考えられます。
この点で、幼児期からテレビとテレビゲームやパソコンで多量の光刺激を受けている今の若者の将来の目の健康が大変懸念されます。

タイプは2つ

1) 萎縮型加齢黄斑変性
黄斑部が老化により萎縮するタイプで、出血することは無く進行は非常にゆっくりで、高度の視力障害になることは少ないです。
2) 滲出型加齢黄斑変性

正常な黄斑部には存在しない新しい異常血管が網膜より外側の脈略膜から網膜側に伸びてくるタイプです。この血管は新生血管と呼ばれますが、血管壁が弱く、黄斑部で出血したり血液成分が漏れ出して黄斑機能を障害します。病状の悪化は萎縮型よりも早く視力低下や物がゆがんで見える変視症や部分的視野欠損などの症状が進行していきます。そして最後には、高度の視力障害(矯正視力0.1以下)を来してしまうのです。

検査方法

加齢黄斑変性はよく見ようとする中心部が見づらくなる病気ですが、周辺部は見えるため両眼で見ている普通の状態では気づかないことがあります。老眼鏡をかけて片目を隠し片目づつ交代にアムスラーグリッドと呼ばれるタテヨコの線の真ん中を見て中心部やどこかの線がゆがんで見えたりしないか時々チェックすることが大切です。

片目ずつ中心の○印を見てください。

  • 1. 周囲の格子がゆがんでいませんか?
  • 2. 格子の一部が欠けていませんか?

網膜をチェック

周囲の格子がゆがんだり、一部が欠ける場合、網膜に異常がある可能性が。黄斑変性症が疑われます。

もちろん異常を感じたらすぐに眼科受診をしてください。当院では主に、次の検査を行います。

視力検査視力検査

眼底三次元画像解析(OCT)眼底三次元画像解析(OCT)

網膜の断面図を密検査です。加齢黄斑変性の経過観察にも有用です。

OCTで分かること

精密眼底検査精密眼底検査

眼底にある網膜の状態を調べます。

治療法

萎縮型は進行が非常にゆっくりしているため特別な治療は行われず、下に示すような生活習慣の改善による悪化の予防が主体です。滲出型に対しては、硝子体注射による薬物療法(抗血管新生薬療法)が基本で、状況により光線力学的療法(PDT: Photo Dynamic Therapy)が行われる場合があります。
また、萎縮型と同様に生活習慣の改善による悪化の予防も大切です。

予防のために

原因として、加齢以外にも、喫煙・太陽光・過度の飲酒・ビタミンや亜鉛などの不足など、様々な生活環境が関与しているといわれます。たばこは加齢黄斑変性の危険因子であることは欧米の調査でハッキリしています。太陽光線を絶えず浴びることもよくありません。血中の微量元素である亜鉛の低下も危険因子といわれています。亜鉛を含む貝類や根菜類を献立に加えましょう。緑黄色野菜に含まれるルテインにこの病気の予防効果があるという報告がありますので、緑黄色野菜を積極的にとることも良いと思われます。

40歳を過ぎたら心がけたいこと

①禁煙
禁煙してもかなり長時間影響が残るため。若い頃から禁煙することが大切です。
②帽子やサングラスの使用
紫外線だけでなく青色波長もブロックする「遮光眼鏡」は、通常のサングラスよりさらに予防効果が期待できます。
③過度の飲酒を避ける
飲酒はほどほどにし、深酒はやめましょう。
④バランスのよい食生活や、サプリメントの摂取
「オキュバイト」というサプリメントがアメリカでの疫学研究で有効性が示されています。