目の健康だより「コンタクトレンズ新事情(2)」

コンタクトレンズ新事情(2)

最近より活動的な生活をエンジョイする為に、コンタクトレンズを装用される方が増えています。装用者の年齢も小学生から高齢者まで、拡がってきています。その歴史と最近の事情について説明してみましょう。

 

歴史

コンタクトレンズ(以下CL)の光学的基本原理の発見は1508年レオナルド・ダ・ヴィンチによるものですが、1888年にオーゲン・フィックがガラスで目のカーブに合わせたレンズを作製し、目に装着して接眼眼鏡と名付けたのが、現在の形状のCLの原点となっています。しかし素材がガラスで直径が20mmと大きかった為に実用化されませんでした。1940年代に軽くて加工し易いプラスチック素材が開発されて急速に発展し、日本でもこの素材を用いて1950年に水谷豊博士によってサイズがやや大きな「強角膜ハードCL」がまず作られました。1951年に直径11mmの角膜の大きさに収まる「角膜ハードCL」が、メニコン創業者 田中恭一氏によって開発されて、初めて実用化に成功しました。水分を吸収するソフトCLの素材は、1955年にチェコスロバキアのDr.リムによって開発されました。この素材を用いた「ソフトCL」は1971年に米国FDAより販売認可が降り、翌年日本国内のメーカー7社が厚労省からの認可を受けています。いわゆる使い捨てディスポーザブルソフトCLが日本に登場したのは比較的新しく、1991年になります。

 

CL装用者数

日本では約15001800万人前後といわれており、実際の装用者人口の15歳から60歳の人口で見ると、約4~5人に1人が装用者となります。若年人口の減少と、乾きにくい遠近両用ワンデーの登場などで、装用者の平均年齢ピークは、以前の20歳代から、現在は30歳代に変わりつつあります。

 

様々なタイプのCL

1)乱視用CL。近視や遠視に乱視も加わっている場合、それを矯正し、より良い視力にする為のレンズです。ハードCLだけではなく、ソフトCLの各タイプ(ワンデー、2ウイーク、マンスリー等)にも、新製品が増えています。乱視があっても今まで近視用のレンズで我慢して使っておられた方が、乱視用CLに変更されると、スッキリ見えるようになり、視力がさらに改善されます。

2)特殊な用途に用いられるCL。角膜の中心部分が尖っている為に、眼鏡では良い視力が出ない円錐角膜の方用のハードCLや、虹彩欠損や角膜白濁の方用の虹彩付きソフトCL等。

3)遠近両用CL。最近様々な新製品が登場して、40歳代、50歳代の多くの方々が使い始めています。ハードCLにも有りますが、ソフトのワンデータイプと2ウイークタイプでも様々な新製品が発売されています。特にワンデーの遠近両用CLは、必要な時だけ使えるので、装用者がさらに増えてきています。以前にハードCLを使っておられた方は、ハードの遠近両用をもう一度使い始める方もいます。40歳以上の方はドライアイにもなり易いですが、遠近両用のソフトCLの素材がシリコーン系の場合は比較的乾きにくいので、そのタイプのレンズの装用者が特に増えています。種類も増えて使い易くなった遠近両用コンタクトレンズは、これからさらに装用者が増えると予想されます。老視用の遠近の他に、最近ではパソコンやスマホで、細かい字がボヤケて見えるようなったいわゆるスマホ老眼の疑いの方の為に、デジタルライフ用のソフトCLも登場しました。パソコンなどで眼精疲労等の症状あれば20歳代の方でも効果が期待出来るタイプです。プレミオ遠近両用CL

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4)サークル及びカラーCL。瞳の色を変えて楽しむのは最後のおしゃれとも言われ、若者から急速に普及しましたが、最近では30歳代以上の方々もどんどん使い始めています。通販や雑貨店などでは一枚のレンズを一ヵ月以上も使用させるカラコンも売られていますが、瞳の健康の為にも殆どの方々はワンデーや2ウイークタイプを使っておられます。これらのタイプのレンズでも最近は高含水タイプなど、より高性能化が図られてきています。色の好みも有りますが、よりグレードアップされた製品を選択するようにしましょう。

 

一般的なCLの正しい使い方

1)一日の装用時間は、通常タイプでも12時間以内が基準ですが、サークルやカラコンは8時間以内の製品もあります。

2)ワンデーや2ウイークなど使用期限のあるレンズは期限以上使用せず、期限内でも異常を感じたらレンズを交換しましょう。

3)毎日レンズは専用のケア液で洗浄コスリ洗いをし、ケースも流水やケア液で洗浄しましょう。

4)目ヤニが多い時、目の充血が目立つ時や、ゴロゴロ感じる時はコンタクトレンズの使用を控え、メガネで過ごしましょう。

5)コンタクトレンズが使えない時に困らないように、適正な眼鏡も作っておくようにしましょう。

6)コンタクトレンズの処方を受ける時は勿論、具合良くても少なくとも半年ごとに眼科専門医師による診察を受けるようにしましょう。

7)購入する時はネット通販等ではなく信頼出来る販売店で、レンズ毎の性能・特徴や正しい扱い方の説明を受けるようにしましょう。

購入について

平成29年8月に国民生活センターと厚労省の両者から、コンタクトレンズによる目の傷害の原因の多くが、ネット通販や量販店やドラッグ等での直接購入によるものであるとの発表が有りました。度数が同じでも種類が変われば目との適合性も変わります。目の状態は絶えず変化しています。初めて使う場合やレンズ種類を変更する場合は勿論ですが、再購入の場合でも目の状態やレンズの適合性について眼科で検査を受ける事がとても大切です。そして信頼出来る対面販売のお店で、各レンズの説明やケアのアドバイスも受けるようにしましょう。コンタクトレンズは、素材のシリコーン化や高性能な遠近両用レンズの登場等で、どんどん進歩しています。正しく使うようにすれば、仕事・勉強・スポーツ・趣味や文化活動などを行なう上で、今後さらに大変役立つものとなると思われます。

目の健康だより

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