色覚検査
2016年11月28日 掲載
平成15年度からは学校で定期検査として色覚検査が行われなくなりました。その結果、進学や就職の時期までに色覚異常を自覚せずにいた生徒が、希望する道へ進めない例が出るようになり、平成28年4月から学校で再度色覚検査が行われるようになりました。
色覚異常の頻度はおよそ男性の20人に1人、女性の500人に1人と言われております。色覚異常にも色々なタイプや程度の差があります。有効な治療法が有るわけではありませんが、児童生徒が自らの色覚の特性を理解しておくことは大切です。
将来の職業を自身の特性にあわせて選択をする手がかりになります。色覚異常者が見づらい特定の色が、その色として見えるようになるわけではありませんが、誤認し易い色ごとの明暗を強調して、特定の色の区別が分かるようにする特殊な眼鏡もあります(通常はこのような特殊な眼鏡は必要としない方がほとんどです)。
将来の職業を選択する前に中学生までに色覚検査を一度は受けることをおすすめいたします。当院で実施可能な色覚検査の種類は、石原式色覚検査表Ⅱ国際版、SPP標準色覚検査表(第一部先天異常用)およびSPP標準色覚検査表(第二部後天異常用)を用いた仮性同色表による色覚検査と、パネルD-15という色相配列検査になります。詳しくは当院医師までご相談下さい。
教育現場では以前から、色覚異常の児童や学生のために、板書に赤いチョークは使われる頻度は減り、教科書の図表の色も配慮されるようになってきております。今後は社会的にも交通信号や標識、防災マップやその他においても、色覚異常者が識別しやすいカラーユニバーサルデザインが、さらに考慮される必要があると思います。