目の健康だより「学童や若年者の近視の進行を遅らせる手段について」

学童や若年者の近視の進行を遅らせる手段について

旬の情報

2019年09月02日 掲載

 近視の進行には遺伝的な要因と環境要因があげられます。両親のうちお一人でも近視の方がいるとそのお子様の近視のリスクが上がります。強度近視の場合は特に遺伝的な要素が強いと考えられます。遺伝的な要因は避けることが出来ないため、まず対策として環境要因の改善があげられます。
 環境要因の改善方法として、学識経験者による近視研究会より以下の7項目が挙げられています。

1 .1日に出来れば2時間は外で遊ぶようにしましょう。
2. 学校の休み時間は出来るだけ外で遊びましょう。
3. 本は目から30cm以上離して読みましょう。
4. 読書は背筋を伸ばし、良い姿勢で読みましょう。左右どちらかが本に近い状態にならないよう、均等な距離になるようにして読みましょう。
5. 読書・スマホ・ゲームなどの近業は1時間したら5分〜10分程度は休み、出来るだけ外の景色をみたり、外に出てリフレッシュしましょう。
6 .規則正しい生活(早寝早起き)を心掛けましょう。
7. 定期的に眼科専門医の診察を受けましょう。

 ただ実際には上記の特に1.や2.は難しい場合もあると思います。

 今までは近視の進行を遅らせる方法として、医学的なエビデンス(効果の証拠)のある方法はあまりありませんでしたが、近年の研究でいくつかの近視進行抑制のエビデンスのある対処法が示されています。現在のところ下記の5種類が方法として挙げられます。

① 累進屈折力眼鏡(PAL)
②一部の遠近両用ソフトコンタクトレンズ
③オルソケラトロジー
④低濃度アトロピン点眼
⑤サプリメント

①累進屈折力眼鏡を選ぶメリットとしては通常の眼鏡と同様で、極めてリスクの低い対処法であることです。以前はドイツのツァイス社よりMCレンズという小児用の累進屈折力眼鏡が利用できましたが、販売が終了になりました。そのため現在は類似の累進屈折力眼鏡を代替として使用する場合があります。当院でも希望者には、通常の眼鏡処方と同様に処方しております。

②を選ぶメリットも通常のソフトコンタクトを使うことと同程度のリスクで、リスクの低い方法です。遠近両用ソフトコンタクトレンズにもいろいろな種類があり、このうちある種類のソフトコンタクトレンズが眼軸長(目の奥行きの長さ・・・これが長いほど一般に近視が強くなります)の進展抑制に効果があったとの報告があります。あくまでもコンタクトレンズが必要な方のみ対象になりますが、この方法は今後の研究により更なる進歩が期待されています。当院でも希望者に処方しております。

③オルソケラトロジー 夜間寝ている間中特殊なハードコンタクトレンズを目に入れたままで寝る方法です。これにより角膜を圧迫変形させて一時的に近視を軽減させます。この方法も近視進行抑制に有効なエビデンスが報告されていますが、取り扱いの不備等で重篤な合併症が出ることも報告されています。また日本コンタクトレンズ学会のガイドラインで、適応年齢は原則20歳以上としており、未成年者への処方に対しては慎重処方となっており当院では現在のところはこの方法は行っておりません。

④低濃度アトロピンは現在のところ海外から有効だとのエビデンスが報告されております。国内でも一部の施設で、厚生労働省の認可を受けていない海外の薬剤を用いて保険外診療(自由診療)で行われています。日本では現在臨床研究が実施されておりその結果が期待されています。当院では現在のところは積極的に推奨すべき状況ではないと考え、行なっておりませんが、今後国内でも有効性と安全性が確認されれば対応を検討してまいります。

⑤小学生に対し、クチナシ由来の色素成分「クロセチン」を投与するランダム化比較試験を施行し、クロセチンが小児の眼軸長伸長、屈折度数の近視化を有意に抑制したとの論文報告があります。サプリメントで補うことが出来ますので、ご希望の方は当院での相談が可能です。

 近視の進行をできるだけ遅らせるためには、まず環境因子の改善(近視研究会の7項目)をできるだけ努力していただくことが一番大切です。
 累進屈折力眼鏡や一部の遠近両用ソフトコンタクトレンズも近視の進行抑制に効果は期待できますが、効果は大きくはなくて限定的です。そのため平田眼科では、通常は一般的な近視・遠視・乱視などの眼鏡及びコンタクトの適正な処方と指導をまず行っております。その中で近視進行抑制の観点から、特にご希望のある方には①累進屈折力眼鏡の処方や、②一部の遠近両用ソフトコンタクトレンズの処方、⑤サプリメントの相談等を行っております。

 

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